新築時には気にならなかった段差なども、年齢と共に負担に感じる方は少なくありません。「暮らしやすい外構にしたい」と感じたら、早めにエクステリア工事を検討しましょう。
この記事では、エクステリア工事でバリアフリー化する際に、知っておきたいメリットやデメリットを紹介します。
バリアフリー化はどのような場合に必要?
住まいの外構部分を整備するエクステリア工事は、庭などを整備するだけではなく、バリアフリー化のための施工も可能です。では、バリアフリー化はいったいどのような場合に必要な工事でしょうか。
以下4つのポイントで解説します。
1.高齢者の負担を減らしたい
日本は高齢化社会が進行しており、介護問題に直面している家庭も少なくありません。高齢者や要介護の状態である方々は、住まいへの出入りにも大きな負担を感じます。
特に階段などの段差は移動時に制約を受けやすく、暮らしを快適にするためにはバリアフリー化が必須です。
2.車いすの移動を安全にするため
車いすで移動する方が暮らしている場合、玄関に階段しかないと出入りが困難になってしまいます。安全に玄関から出入りするためには、スロープ設備などを整えることが必要です。
玄関周辺の段差や狭い通路、滑りやすい地面などが移動の障害となるため、使いにくい設備は解体することも検討しましょう。バリアフリー化のエクステリア工事を行うことで、車いす利用者が建物内外を自由に移動できるようになります。
3.視覚障害者や聴覚障害者向けの整備
バリアフリー化は視覚障害者や聴覚障害者のためにも、施工を行えます。視覚的な目印や誘導を設けたり、手すりを設置したりすることで外構部分の安全性を高められます。
4.利便性の向上
バリアフリー化のエクステリア工事は、高齢者や要介護者のためだけではなく、一般の方々の利便性向上にも役立ちます。
段差のないアプローチや玄関周り、広い通路、明るい照明、安全な手すりなどは、誰もが快適に建物に出入りできるようになり、お子さまにとっても安全です。
バリアフリー化を進めるメリットとデメリットとは
住まいをより安全に整えるために欠かせないバリアフリー化ですが、新築時の整備ではなく、リフォーム時に整える場合には、知っておきたいメリットとデメリットがあります。
バリアフリー化のメリット
外構部分のバリアフリー化には、以下2つのメリットがあります。
1.家族が安全に暮らせる
バリアフリー化は、人が快適に移動できるように整備することを意味します。家族全体が暮らしやすいように整備するため、転んだり滑ったりするトラブルを減らせます。
2.介護向けに改修できる
介護が必要となった方は、外構だけではなく内装もリフォームを検討することが多いでしょう。手すりなども整備することで、要介護の方も安全に暮らせるようになります。
手すりの設置程度はDIYをすることもできますが、スロープを設置したり、滑りにくい床材に変更したりするなどの施工は、コンクリートによる舗装も必要となるためプロによる工事がおすすめです。
バリアフリー化のデメリット
メリットが多いバリアフリー化ですが、以下のとおりデメリットも挙げられます。
1.デザインに制約があるケース
バリアフリー化を進める際には、玄関へのアプローチにスロープが導入されています。スロープは車いすやベビーカーを押して、玄関に入ることを想定しており、緩やかな傾斜に設計する必要があります。
傾斜が厳しいものだと、上る際に負荷がかかり、転倒するリスクもあるためです。そのため、スロープの設置の際にはゆとりが必要となり、デザインに制約が生まれる場合があります。たとえば、駐車場から玄関までの動線が短いと、スロープが急傾斜になりやすいでしょう。
このような場合には、あえて庭に動線を整備し、リビングから出入りできるようにするなどの方法を検討する必要があります。
2.外構部分に狭さを感じる
スロープなどのバリアフリー設備を施工すると、これまで庭やアプローチだった部分を解体せざるを得ない場合があります。そのため、これまでの外構部分よりも狭さを感じてしまうことも少なくありません。
スロープはゆとりをもって設計する必要があり、思っていた以上に敷地内をスロープが占める可能性があります。敷地面積に限りがある場合は、どのようにバリアフリーのデザインを行うべきか、エクステリア工事の専門家と慎重に打ち合わせを行う必要があるでしょう。
このように、エクステリア工事によるバリアフリー化には、メリットとデメリットがあります。バリアフリー化は必要に迫られて施工を行うことも多いため、デメリットも知ったうえで施工に踏み切ることが良いでしょう。
使いやすさを優先しつつも、デザインにこだわることができるエクステリア専門家への依頼がおすすめです。
エクステリア工事の注意点
バリアフリー化を前提にエクステリア工事を行う場合、以下に挙げる注意点も知っておきましょう。
資金について
バリアフリー工事はコンクリートによる舗装工事や、既存の門柱や門扉などの外構設備の撤去と解体などを行うことも多く、資金を用意する必要があります。
特に大がかりなスロープなどの設備を導入する場合には、基礎工事もしっかりと行う必要があるため、予算を決めたうえで、工事を依頼することがおすすめです。
内装のリフォームを兼ねる方も多いため、資金面の問題はあらかじめクリアにしたうえで、施工を依頼しましょう。
見積もりやデザインを比較する
バリアフリー化を優先すると、どうしても外構部分のデザインはシンプルになりがちです。スロープやアプローチは安全性を追究する必要がありますが、住まいの外観部分のデザインが介護一辺倒に見えてしまうこともあります。
そのため、デザインも追求できる専門家への依頼がおすすめです。見積もりやデザインは、複数の専門家に依頼し、比較したうえで施工を開始しましょう。
まとめ
この記事では、エクステリア工事でバリアフリー化をする際のメリットとデメリットについて詳しく解説を行いました。バリアフリー化をする際には、素敵な外構デザインもできる安心の専門家に依頼することがおすすめです。
まずはじっくりと専門家に相談を重ねてみましょう。